オンライン講師が描く「ハクションな日常」

人生はハクション*くしゃみしたら吹き飛んでいくような

2023-01-01から1年間の記事一覧

語られる過去⑦

toriadecafe.hatenablog.com 小百合の前に”住んでいたと言う恋人”はアダムという男だった。ジェシーとアダムは、1年半共に暮らしアダムは「8カ月間、仕事で日本に行く」と言って、部屋を出たきり戻らなかった。彼は、日本で知り合ったアメリカ人男性と”恋…

語られる過去⑥

toriadecafe.hatenablog.com ジェシーは、日本の小百合の実家へ直接それも日本語で結婚の許しを得たいと、挨拶に赴いた。小百合の両親は、大反対という訳ではなかったが外国人との結婚と言う事にかなりの戸惑いを見せていた。しかし、ジェシーの紳士的で礼儀…

語られる過去⑤

toriadecafe.hatenablog.com ジェシーの「正式な恋人」になり一年の月日が流れた。小百合は、カレッジを念願通り1年で卒業し運良く就職先を見つけ就職した。こんなにラッキーな事が続くものかと思ったが就職した会社で、4か月の仕事を終えた時点で担当のマ…

語られる過去④

toriadecafe.hatenablog.com ジェシーとの同居生活が始まり、水曜と金曜以外も勉強を教えて貰えるようになった小百合は順調にクラスのカリキュラムを消化していった。そればかりでなく、卒業後の就職も考える余裕が出てきた。外国人学生がディプロマコースを…

語られる過去③

toriadecafe.hatenablog.com 毎週水曜・金曜、週二回小百合とジェシーは、図書館やカフェで会う。「会う」と言っても、最初にあったドキドキ感は皆無で最初から勉強オンリーだった。授業の予習・復習のアドバイス。テキストでわからない部分を解説して貰うだ…

語られる過去②

toriadecafe.hatenablog.com 「サユリー!」エレンの甲高い声に呼びとめられてその朝は始まった。「エレン、これから授業なの。 私、急がないと遅刻しちゃうから」すると、エレンは早口に「サユリ、今日ね家庭教師に引き合わせるから 放課後3時、ミッドカフ…

語られる過去①

「私って、結構ツイてる女かも!」頭の中で そんな言葉を呟いていた。しかし、そんな思いも あの時から変わってしまった。小百合は、外語専門学校を卒業した後3年間IT企業で事務員として勤務。学生時代に必死にバイト、そして社会人の3年間ほとんど遊びも…

だらり~としてます\(。⊿°)/

先週半ばから、カラダがすっきりとせず今週はすこしゆっくり~と言うよりはだらり~\(。⊿°)/と過ごさせていただいています。日本で社会人デビューをし30歳でカナダにやって来てから18年ほどかなり無理をして仕事をしてきた。その後、フリーランスになっ…

いつか二人で⑦

toriadecafe.hatenablog.com 日本に帰ってからの美佳はデビットと離れて暮らす不安な気持ちを紛らわす為~そして、カナダに渡る為出来るだけのお金を貯めておこうとバイトに精を出した。何故ならお金が無い事で、また離れるのは嫌だった。カナダを離れ、ちょ…

いつか二人で⑥

toriadecafe.hatenablog.com ワーキングホリデービザが切れてしまい美佳は、ビジタービザでカナダに残るしかない。仕事も出来ないただ、デビットと一緒に居る。それだけデビットは婚姻関係が破綻しているとはいえ美佳は、ただの同棲とは言えない後ろめたさを…

いつか二人で⑤

toriadecafe.hatenablog.com デビットの妻と名乗るカレンは続けて、早口に喋りだした。「デビットは、今日は仕事なのかしら。 今日中に話したい事があるのよね. ま、貴方に言っても しょーがないわね。また、夜にでも来るわ」美佳は、今来た人が誰で何が起こ…

いつか二人で④

toriadecafe.hatenablog.com 相変わらず、女二人・男一人の美佳からすると「奇妙な3人暮らし」は続いていた。変わった事と言えば、デビットと美佳が二人でベッドルームに寝るようになった事。それでも、シェアメイトのスーザンは何も頓着しない様子でただ一…

いつか二人で③

toriadecafe.hatenablog.com 日本に帰ってからの美佳は再就職せず、フリーターとしてバイトを掛け持ちしていた。小学校の教頭をしている父親には「いったい、何を考えているんだ」と苦言を言われる中密かに、ワーキングホリデーでカナダに行く事を計画してい…

いつか二人で②

toriadecafe.hatenablog.com 3か月の語学留学。美佳は、日本に居る友達に「なんちゃって留学いってきま~す」と言って日本を出てきた。まさに「なんちゃって!」という言葉がふさわしく3か月という時間では、語学学校でも出来る事は限られ時間もあっという…

いつか二人で①

大学を卒業後、5年間のOL生活にピリオド!美佳は、かねてからの夢だった語学留学へカナダに3か月行こうと決めた。「海外で英語を勉強してみたい」それは、表向きの理由で本当は、学生時代から付き合っていた哲哉と別れ”その事”をふっ切りたかった。たった…

再び、調査部の男③~あるOLの回想

toriadecafe.hatenablog.com カナダ・バンクーバーまで来て何故、あの「調査部の男」とレストランで向かい会っているのか…わたしは今さらながら、不思議だった。「縁」がある!ということなのか!?「いや~まさか、こんなところで あなたとお会いするとは思…

再び、調査部の男②~あるOLの回想

toriadecafe.hatenablog.com 機体が、成田を飛び立つと何かが、プツリと途切れたような気がした。それは、わたしではなく隣のあの男が!森は、わたしの座席の方に向かって身を乗り出しなれなれしく「今はどうしているのか」「結婚したのか」などとあれやこれ…

再び、調査部の男①~あるOLの回想

toriadecafe.hatenablog.com エース物産はわたしにとって、居心地の良い会社だった。関係会社勤務とはいえ一部上場グループの中の会社であり待遇は、本社と全く一緒。何より、際立って嫌な上司や同僚もおらず本当に居心地が良かった。しかし、わたしは5年で…

地下室の男③~あるOLの回想

toriadecafe.hatenablog.com すっかり忘れていた!何しろ、日々の仕事で地下室に行くことなど無い。何年も…いや、この会社を去る事があったとしても地下室に行く用事などほぼ無いのだ。だから、忘れていた。いつものように、社長以外はまだ出社もしていない…

地下室の男②~あるOLの回想

toriadecafe.hatenablog.com ガラスのすこし重いドアを開けると立ち尽くしていた女が、気配に気づきわたしに寄ってきた。「あの…いきなりで申し訳ありませんが 私、こちらでお世話になっている田代の家内でございます。 えっと… 主人はまだ、会社におります…

地下室の男①~あるOLの回想

toriadecafe.hatenablog.com わたしが ”地下室の男”を知ったのは、入社して間もなくのこと。渡辺さんが 耳元で囁いた一言からだった。「見ちゃったのよぉ~」渡辺さんの囁きはまるで、幽霊でも見たかのようなそんな響きを持っていた。「え!?何をですか」私…

営業部の女③~あるOLの回想

toriadecafe.hatenablog.com こんな「堂々とした不倫」が、社内でまかり通るのか⁉皆、胸の内で思っていたはずだ。美香子と風間部長の関係は、日増しに明るみとなり当人たちも、ソレをわかっているだろうに…関係は続いている。堂々としているからこそ逆に、周…

営業部の女②~あるOLの回想

toriadecafe.hatenablog.com わたしが調査部で、“あの電話”を取ってしまった頃から何故か、にわかに「ここだけの話!」と前置きが付きながら石原美香子と営業部長・風間の不倫関係が噂になり始めた。風間は、社内外でも「デキる男」で通っていた。しかも、普…

営業部の女①~あるOLの回想

「ねぇねぇ、先週 調査部に手伝いに行ったんだって? エレベータホールで、背後からけたたましく渡辺の声が飛んできた。わたしは、小さい声で「おはようございます」と言った後、その問いかけに対してすこし頷いた。渡辺は根ほり葉ほり、調査部の様子を聞きた…

2023*あけまして おめでとうございます

本年もよろしくお願い申し上げます。 TORIA (o ̄∇ ̄)/

調査部の男③~あるOLの回想

toriadecafe.hatenablog.com 受話器から漏れ聞こえてきた声は、中年の男の声だ。それが、誰なのかわたしには、わからなかった。しかし、その声の主は わたしに呼びかける事なく、誰か違う…それも、社内の誰かに声を掛けていた。「駄目だよ! さっき、丸岡さ…