オンライン講師が描く「ハクションな日常」

人生はハクション*くしゃみしたら吹き飛んでいくような

いつか二人で②

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3か月の語学留学。
美佳は、日本に居る友達に
「なんちゃって留学いってきま~す」と言って日本を出てきた。
まさに「なんちゃって!」という言葉がふさわしく
3か月という時間では、語学学校でも出来る事は限られ
時間もあっという間に過ぎていった。

カナダ滞在も残り1カ月という、ある日
授業を終え、学校を出ようとしたところで
「美佳!」と声を掛けられた。

聞き覚えの無い声に振り返ると
白人男性が立っている。
誰なのか、わからずにいると

「覚えてないかな?
 デビットだけど…
 飛行機の中で話したよね」と言われ
忘れていた、あの”出会い“を思い出した。

でも、ほんの飛行機の中での出会いで
あれから時間も経っていて
美佳は、何を話していいかわからなかった。
しかも、こんな偶然があるのかと内心驚いていた。

「デビットは、何でここへ?」と聞くと
知り合いがこの学校に居て
仕事の事で相談に来たとの事。

「美佳、明日は学校休みだよね。
 よかったら、お茶でもどうかな?」

すこし迷ったものの、あの機内での楽しいお喋りを思い出し
美佳は、会ってもいいなと思いOKをした。

そんな、偶然とも必然とも思える 二人の出会い

美佳とデビットは、その再会以来
頻繁に会うようになった。

学校帰りにお茶を飲んだり
映画に行ったり
時には、英語学校の課題を手伝ってもらった。

相変わらず、デビットの野暮ったい風貌は変わらず
何となく、美佳は彼と並んで歩く時
周りには、どう見えているんだろうか…と思っていた。
ビジュアルは、やっぱり好みではない!
だが、美佳は彼の穏やかで優しいところに魅かれ始めていた。
何より、一緒に居て
話をしていて
楽だった。

まだ、会って間もないのに
こんな気持ちになっている自分が不思議だった。
そして、引きずっていた前の彼、哲哉の事も思い出す事がなかった。
しかし、日本に帰国する日は迫っている。

「美佳、ワーキングホリデーというのがあるよ。
 1年カナダに居られて、仕事も出来るし学校にも行ける。
 カナダでの生活をエンジョイできる
 素敵なプログラムがあるよ」
デビットは、ある日そんな事を教えてくれた。

美佳は、デビットは私にカナダに居てほしい
と思っているのだろうか!?と思ったが
付き合ってもない男(ひと)の為に
カナダにまた来るほど、私もバカじゃない!とも思っていた。

デビットとは、ただの友達。
でも、何となくこの頃は

彼に彼女がいるのか気になっている。

時間は、ただただ過ぎていき…

日本に帰る日の朝
空港には、ホストペアレンツが見送ってくれただけで
デビットの姿は”もちろん”無かった。

二人は、良い友達としての「思い出」だけ
お互いの心に残し
夏の終わりと共に
カナダと日本、離れ離れになった... to be continued.

 


杏里「Surf City」(1983)

 

まぁ~よくありそうな事ですよ!

これってば!
・・・で、カナダ戻ってきちゃうんだろうなぁ(〃艸〃)

TORIA (o ̄∇ ̄)/

 

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