オンライン講師が描く「ハクションな日常」

人生はハクション*くしゃみしたら吹き飛んでいくような

語られる過去①


「私って、結構ツイてる女かも!」

頭の中で そんな言葉を呟いていた。
しかし、そんな思いも あの時から変わってしまった。


小百合は、外語専門学校を卒業した後3年間
IT企業で事務員として勤務。
学生時代に必死にバイト、そして社会人の3年間
ほとんど遊びもせず、実家暮らしで貯金をした。
それというのも、北米に留学したかったからだ。

アメリカよりカナダの方が
まだ学費が安い
そんな理由で、単純にカナダを選んだ。

カナダ東部の田舎だと思っていた町は
思っていたよりも都会で驚いた。
そんな中で、小百合はとにかく限られた時間
学ぶ事に徹しようと決めた。

ところが、語学学校は案外と退屈で
クラスの大半はアジア人。
何故か、日本人ばかりで固まっている。
小百合は、その中でいつも孤立していた。

授業が終わるとステイ先に、まっすぐ帰り予習・復習。
ステイ先の家族と、たまに外出する程度で
カナダに来たのに「ひきこもっている」そんな毎日を送っていた。

語学学校が半期終わった頃、漠然とカレッジ進学を考え始めた。
残りのお金を考えると、カレッジ進学はかなり厳しい。
でも、語学学校を終えて 
ただ日本に帰国するというゴールでは物足りなくなっていた。

進学出来そうなカレッジ選びを始め
小百合は、一年でディプロマが取れる美容系のコースを見つけ
そこを目指して、さらに英語の勉強に励んだ。

勉強のかいあって、日本を離れて14ヶ月目の秋
小百合は、カレッジ生として
カナディアンばかりのキャンパスに立っていた。
しかし、お金の猶予が無い身
何としても、一年で卒業をする為に変わらず猛勉強の日々。
それでも中々、思うように授業の内容が理解出来なかったり課題が進まなかった。

クラスの友人・エレンが見兼ねて声を掛けてきた。
「サユリ、あのさ 良いアイデアがあるわ。
 私の彼の友達なんだけど
 日本の事とか、日本語に興味ある人がいるのよ。
 彼が家庭教師するかわりに
 あなた日本語を教えてあげるってのは、どう?」

小百合にとっては、願ってもない話。
しかも、タダで勉強を教えてもらえるなら
それ位の時間を割いてもいい。

小百合は、ふたつ返事で
そのアイデアに乗っかり
週末、その「彼」に会う事になった。

この時
その「出逢い」が
小百合にとって、更なるツキになるとは
思ってもみなかった... to be continued.


PSY・S「電気とミント」(1987)

また、一筋縄ではいかない話!?

TORIA (o ̄∇ ̄)/

 

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