オンライン講師が描く「ハクションな日常」

人生はハクション*くしゃみしたら吹き飛んでいくような

語られる過去③

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毎週水曜・金曜、週二回
小百合とジェシーは、図書館やカフェで会う。

「会う」と言っても、最初にあったドキドキ感は皆無で
最初から勉強オンリーだった。
授業の予習・復習のアドバイス
テキストでわからない部分を解説して貰うだけで
時間は過ぎていき、最初言っていた日本の事や日本語を教えるという事もなかった。

小百合は、密かに世間話をして
彼と少しでもお近づきになれたら…
なんて思ったりもしていたが
そんな淡い”妄想”はすぐさま消滅した。

それでも、ジェシーのサポートのお陰で
段々、授業が苦痛ではなくなっていった。

ジェシーと知り合い2カ月経った金曜日。

「サユリ、そういえば部屋探しているって?」

「そうなんですよ。
 何か、今ステイしてる家の娘さんが帰ってくるとかで
 来月には出なくてはならなくて」

「サユリさえ、よければだけど 
 今、ウチに一部屋空いてるけど どう?
 ヘンな意味じゃないよ。
 本当に、部屋を提供するって事。
 それに、時間が空いてれば
 いつでも勉強を見てあげられるし
 やっと、僕も日本語を教えてもらえるだろう」

ジェシーからの思いがけない提案に
小百合は、キョトンとしてしまった。

ジェシーは、カレッジの勉強だけで手一杯な小百合を思って
今まで、世間話も敢えてしなかった、とこの時初めて打ち明けた。

小百合は「そっけないイケメン」と思っていたジェシー
本当は、思いやりのある 
繊細な面を持った男性とわかり嬉しくてたまらなくなった。
それから2日後

小百合は、ジェシーの部屋に住む事に決めた。

2週間後、引っ越した部屋は
真新しいアパートメントの3階。
広いリビングのある2ベッドルームで
何とも、リッチな部屋。

「ここに一人で住んでるの?」

「いや、前はルームメイトが居たよ」

小百合は、それ以上何も聞く事が出来なかった。
何故なら、センスの良い小物や
小百合がステイする部屋には
「女」の気配を感じたからだ。
かすかな甘い香り、それが妙に気になる。

一瞬にして、ときめきは
また、萎(しぼ)んだが
住む部屋が決まって
カレッジをちゃんと卒業出来れば、少しは明るい未来があるはず!
…そう思うと
気持ちが上に向いた…to be continued.

 


My Little Lover 「Hello、Again~昔からある場所」(1995)

男女の”恋愛抜き”の同居生活。
どうなる事やら…
そういう私も恋愛抜きの同居生活6年目です*1ケラケラ

 

TORIA (o ̄∇ ̄)/

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*1:´∀`