オンライン講師が描く「ハクションな日常」

人生はハクション*くしゃみしたら吹き飛んでいくような

いつか二人で④

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相変わらず、女二人・男一人の
美佳からすると「奇妙な3人暮らし」は続いていた。
変わった事と言えば、デビットと美佳が二人で
ベッドルームに寝るようになった事。

それでも、シェアメイトのスーザンは
何も頓着しない様子で
ただ一言
「あー、私が居る時に
 セックスだけは止めてちょうだいね」
と言うだけだった。

しかし、3人が一緒に部屋に居る時間は少なく
深夜遅く帰ったり、よく外泊をするスーザンとは
ほとんど顔を合わせない事が多かった。

珍しく、美佳とスーザン二人だけで部屋にいると
スーザンが、ちょっと可笑しそうに笑う。
「美佳、デビットとどうするつもり?
 はっきり言って、私に出ていって欲しいって思ってるでしょ」

そんな事を言われると
美佳は、どんな顔をしていいのか
何て答えていいかわらない。
続けて、今度は笑いをこらえる風に
そして、意地悪そうにスーザンが言った。

「でもね、私が住んでるなんて大した事じゃないわよ。
 たぶん、あなた 
 まだ知らないんだわね」

まだ、知らない

その言葉の意味する事が、何なのか
美佳は、その言葉の意味を胸の中で繰り返し呟きながら
色んなGUESSをした。

デビットにはもしや、彼女がいるの?

はっきりしなくては…いけなかった。
急速に深まった、二人の仲。

「ずっと一緒にいたいね」

美佳がデビットにそう言った時。
深い意味で言ってるつもりはないのに
何故かデビットは曖昧な相槌だけをいつも打つ。
何か、あるのかもしれない
その思いが、次第に募っていたこの頃。

思いがどんどん深くなる前に
「聞かなくちゃいけない!」
そう思いながらも、聞けぬまま
日は経っていった。

いつしか、デビットの野暮ったい風貌さえ
可愛らしく思えるようになり
確実に、美佳は自分で「彼を好きだ」とはっきり自分の中で認めていた。

そして、お互い 
そう思い始めていた


いつもは、昼のシフトから日本食レストランでのバイトは入っていたが 
その日は珍しく夜だけのシフトで、美佳はひとり家に居た。
すると、ガチャガチャと玄関ドアから音がして
誰かが入ってきた。

いつもと、何かが違う。

すると、見知らぬ長身の
”いかにもキャリアウーマン”といった感じの女性が部屋に入ってきた。
美佳は、驚きのあまり、声が出ずにいると

「あら、新しいルームメイトかしら」と
その女性、いきなり美佳に話しかけた。

「私は美佳と言いますが
 あの…貴方は…?」

「あ、私! カレンよ。
 デビットの妻の」
…to be continued.

 


B'z 「Bad Communication」(1989)

 

何だか、なし崩し的に始まったような
この恋愛にハッピーエンドはあるのか!?な

 

TORIA (o ̄∇ ̄)/

 

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