オンライン講師が描く「ハクションな日常」

人生はハクション*くしゃみしたら吹き飛んでいくような

営業部の女③~あるOLの回想

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こんな「堂々とした不倫」が、社内でまかり通るのか⁉

皆、胸の内で思っていたはずだ。

美香子と風間部長の関係は、日増しに明るみとなり
当人たちも、ソレをわかっているだろうに…
関係は続いている。

堂々としているからこそ
逆に、周りが咎めにくいのか
誰も、何も言わなかった。

しかし

そんな「不」の関係
さらに、“男”の人生を狂わせる。

風間が仕事で挽回を狙おうと必死にもがいても
幸運の女神は、振り向かない。

何故なら
美香子と言う
破滅の主のせい!?

そろそろ、風間は自分の身の危うさを感じ始めていた。
この業績不振では
もしや、何年か
地方の支店に飛ばされるかもしれない。
風間の頭に、そんなシナリオが過っていた。

会社が盆休みに入る前日の朝
風間は、いきなり営業本部長を兼務している
常務に呼び出された。

来る時が、来たのかもしれない。
「秋の人事で 支店行きか…」
風間は、静かに心のなかで呟いていた。

常務室に入ると、そこには人事部長と
何故か、調査部の森が座っている。

「あ、風間君。朝からすまんね」

常務がおっとりとした口調でそう言い
自分の向かいに座るよう、勧める。

そして、大したことないように
おっとりとした口調で、話し始めた。

「えっと、風間君 
急で申し訳ないんだけど
来週から東北配送センターに行ってくれないかな」

「と言いますと、出張…で?」

風間が、そう返すと
常務は笑いながら 
なおも、同じ口調で返す。

「いや、風間君にね
 東北配送センターの副センター長としてね
 これからは頑張ってもらいたいと・・・
 人事の坂部君と話しましてね
 決めたんですよ」

「とは言っても…
 あの来週って急な。引き継ぎとかもありますし」

風間は考えもしなかった
その“自分の行き場”の前で
やっと言葉を押し出した。

しばらく、沈黙が流れた後 
全てを終わらせるように
常務はひょうひょうと、言葉を吐き出した。

「もう、いいんだよ。
 君が一番わかってるんじゃないか!
 とにかく、荷物をまとめて
 来週には行ってくれ。
 あとは、坂部君よろしくね」

常務は、坂部に視線を走らすと
人事部長の坂部は黙って頷いた。

盆休み明け、社内は急な人事の話に
其処ここで、ひそひそ話が絶えなかった。
しかし、空気読まない
空気を読めない美香子は
営業部の真ん中で、風間に声を掛ける。

「なんで~部長ぉぉぉ
 いなくなっちゃうんですかぁ~」

ここでも
男は涸れ、女は咲き続ける

わたしは、ふと
あの「人事課の女」の結末に似たようなものを
感じていた。

取引先会長の娘・美香子には何の制裁も無かった。

いつの時も
社内不倫の果てに、朽ち果てるのは
男の方だろうか…The End.


シャ乱Q「ズルい女」(1995)


社内恋愛や社内不倫。
難しいですねぇ~。
女の方が馬鹿を見る方が多いんでは!?と思いがちですが…
実は、分が悪いのは男の方なのか!?

男は涸れ、女は咲く。
ずっと、咲き続けられるんですかね…(ΦωΦ)ふ

TORIA (o ̄∇ ̄)/

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