オンライン講師が描く「ハクションな日常」

人生はハクション*くしゃみしたら吹き飛んでいくような

再び、調査部の男①~あるOLの回想

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エース物産はわたしにとって、居心地の良い会社だった。
関係会社勤務とはいえ
一部上場グループの中の会社であり
待遇は、本社と全く一緒。
何より、際立って嫌な上司や同僚もおらず
本当に居心地が良かった。
しかし、わたしは5年で「その会社」に別れを告げた。

会社を退職したわたしは
派遣会社に登録をして、以前の安定からは程遠い仕事環境で淡々と仕事をした。

「この会社でも、もしかしたら・・・」

かつて、わたしが
あのエース物産で見聞きしたような出来事が
この会社にも、あるかもしれない…と思うと
不意に、辺りをゆっくりと見てしまう自分がいた。

何気ない環境 何気ない場所にこそ
ドラマや小説以上に、驚くことが積み上がっている事を
誰しも気づかずにいるのかもしれない。

そんな、派遣での仕事暮らしを始めて2年が経った頃
わたしは初めて、海外へひとり旅に出ることにした。

海外には大学の卒業旅行で
ロサンゼルスに行っただけで
この海外ひとり旅が、わたしにとっての二度目の海外だ。

我ながら、思いきった事を決断したことに自分で驚きながらも
私は、少し誇らしげに成田からバンクーバーに向かう飛行機に乗り込んだ。

だが、わたしはそこで
思いもかけない人から、声をかけられた。

その人は、いきなり 
わたしをフルネームで呼んだ。

振り返ると、そこには
あの、かつてエース物産の調査部にいた森が立っている。

いきなりの事に言葉も出ないまま
黙って森にお辞儀をしただけで
私は急いで、飛行機の奥の座席に向かって懸命に歩いた。

「座席が近くなければいいのに」
それだけを願った。
しかし、私の願いは空しく破れ
通路を挟んで、森と並んだ席に座った。

それは、あの調査部に手伝いに行った日の
恐怖に似た感覚をはらんでいた。
そして
感覚どころではなく
これから
本当の恐怖を見せつけられるのだった…to be continued.


K.D.Lang - Anywhere but here (1999)


再び、あの調査部の男が戻ってきました。
退職してから、かつて同じ職場だった人と出くわす!

ちょっと…どころか、結構イヤですわね!!!
私は、ずっと同じ業界で働いてきたので

そんな事が何回も(-_-;)

TORIA (o ̄∇ ̄)/

 

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